ぼくの/わたしのELLEGARDEN史

Soundtrack of my life

Text by Shigeru

高校2年生のとある日、「Red Hotって曲がカッコいいんだよ」そんな会話と共に友人何人かにELLEGARDENのCDが回ってきて自分も借りた。

当時、自分は軽音楽部に所属していた。音楽は詳しくないけど、Mステを見ていたから知ってるバンドがいくつかあったくらい。音楽の授業は苦手で、これまでの成績は良くて3がつくくらい。
高校に入学してすぐの新歓のステージ上で、3年生の先輩たちが演奏していた姿に魅了されてギターを始めた。

同級生に借りた『RIOT ON THE GRILL』よりも自分で買った『Space Sonic』にどハマりした。女装したメンバーが演奏する、世界観がよくわからないMVでも、彼らのサウンドが突き刺さった。ギタリストとして、生形真一(Gt.)を意識して真似し始めたのもこの曲がキッカケだ。

Space Sonicに同封されていたツアーのお知らせを見てチケットを買った。
満員のZepp Tokyo、熱狂に包まれた会場。まだ全ての曲を聴けてなかったけど、初めてのエルレのライブは見たことのない景色だった。
エルレの曲をもっと演奏したい、こんなバンドをやりたい!と直感で思った。
どんなライブだったかはあまり思い出せない。それほど衝撃的だった。その日以降、ELLEGARDENにのめり込み始めた。

『ELEVEN FIRE CRACKERS』は発売日に買って、iPodにすぐに入れて家でも学校でもいつでも聴いていた。ツアーもすでにチケットを取っていた。

大学生になってすぐ活動休止が発表された。あれだけファンに対して真摯な発言をする彼らだったけど、活動休止のライブのMCや音楽雑誌を読んでみても真相は語られなかった。
その頃は色んな音楽も聴いていて、日本のバンドなんかと音楽を斜めに見ていた時期もあって、活動休止はすんなり受け入れていた。自分より熱心なエルレファンの後輩を活動休止ライブに連れて行ったが、泣くほど受け止められないもんなんだなと感じていた。

活動休止後、メンバーそれぞれの活動も見に行っていた。いつからか9月9日になるとTwitterのトレンドにELLEGARDENが入るのを目にするようになった。彼らを待っているファンがこんなにも多いのかと実感した。毎年やってくる”September 9th”が特別な日になり自分自身もいつか復活するその時が来るのを待ち遠しい気持ちが高まった。

そして活動休止から10年、彼らは突如活動再開を発表した。仕事が手につかないくらい急な発表に力が抜けてしまった。嬉しい気持ちが溢れて止まらなかった。しばらく復活する喜びで昔行ったツアーのことを思い出したり、ツアーDVDを見返していた。自分がこの先も音楽を何かしら続ければ彼らと一緒に音楽を鳴らすチャンスがまたやってきた!バンドで音楽を鳴らすことも一人でギターを勉強することも以前よりも気持ちが入った。

2018年8月15日ZOZOマリンスタジアム。なんとかチケットを手に入れることができ、復活ライブを生で見ることが叶った。
ELLEGARDENを見るべく心が騒ついたまま、ゲストアクトのONE OK ROCKが始まった。見てる余裕がないと思っていたが、流石日本を越えて活動してるバンドだけあって、会場の熱量は高まり魅力されていく。ONE OK ROCKはここでELLEGARDENを食いにいく勢いで演奏を続けた。
一瞬で終わり転換を経て暗転、会場の中も外も割れんばかりの歓声、流れるSE。ELLEGARDENがついに戻ってきた。
ギターの弦が鳴った瞬間、両目から涙が溢れた。嬉し涙を流すのは人生で初めての経験だった。心の底から彼ら4人を待っていた。
1曲目Supernova、彼らの存在が超新星そのものだった。
ライブハウスバンドだと彼らは言うが、紛れもなくスタジアムバンド級の爆発力のある音。圧巻だった。
終始泣きじゃくりながら見ていた。彼らは1曲1曲を噛み締めて演奏していた。

2022年12月21日、16年ぶりのフルアルバム『The End Of Yesterday』がリリースされた。
先行して発表された『Mountain Top』から始まるアルバムはこれまでのどの曲とも違う新しいELLEGARDENのサウンドだった。
活動休止後のバラバラになったメンバーが蓄えてきた力がこのアルバムに詰まっていて、彼らもELLEGARDENの音楽を鳴らせていることに喜びを感じているのを1曲1曲に感じた。
発売されてもう何周しただろうか。すぐに口ずさみたくなるメロディがこのバンドの魅力だと気付かされた。
アルバムツアーでは大声で一緒に歌いたい。制限された生活があったことを忘れてしまうくらいに。

これからこのバンド以外に、感情的になれる存在は現れないと確信している。最新アルバムで活動が終わってしまったとしても後悔はない。現在を精一杯生きてやろうと思えたのもELLEGARDENの存在があったからだ。
まだ自分の人生の目標を達成する未来は見えていないけど、諦めなければ願いは叶う、そう教えてくれたのもELLEGARDENがいたからだ。

ギタリストとして、いつかELLEGARDENと同じステージに立つ。人生の目標を改めて心に刻んだ。

My band playlist

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